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スチール什器の仕上げ方

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2022.04.10

コラムの

知っておきたい!什器素材の基礎知識「スチール・ステンレス・アルミ」の違いと特徴

でもご紹介しましたが、スチールは曲げやねじりに対する剛性が高く、木材などに比べて寸法の狂いがなく、加工性にも優れた素材です。

価格も安く、大量生産する際にはコストを抑えることができます。

一方で、ステンレスやアルミに比べて酸化して錆びやすいのが特徴です。

 

そのため、スチールの表面は保護する必要があります。

その代表格が焼き付け塗装です。

塗装する前の状態がこちら。

 

 

スチールのイメージって恐らくこの色かと思います。

グレー、シルバー、鈍色。

 

こちらに塗装をかけて焼き付けるのです。

塗装をかける際には、吊った状態で塗装をしてます。

そして焼き付けて定着させるのです。

そのため、製作できる大きさに制限があります。

 

焼き付け塗装することで、強度もUPします。

 

 

石黒テックでは、メラミン焼き付け塗装をメインで行っています。

こちらは、お酒の陳列什器です。

色は黒。

 

 

お酒の瓶は重く、かなりの数を並べるので、こういったフレーム状の什器を木工で作ることは強度的に難しいです。

焼き付け塗装は、調色さえすればどんな色にもすることが出来ます。

例えば・・・

 

 

店舗のパーテーションのガラス部分のフレーム、こちらはスチール角パイプを使って製作しています。

色は、グレー。

什器の木工部分のグレーに近い色で塗装しました。

木目のグレーにも濃淡があるので、品番を指定します。

その際に使用するのは「日塗工」の色見本帳です。

 

 

この時のグレーは22-65A

頭のアルファベットは、発行年記号となります。

標準色見本帳は2年毎に発行されているので、頭の品番でどのサンプル帳を見て指定してかがわかります。

 

 

 

  K・・・発行年記号(アルファベット一文字)
22・・・色相区分(有彩色は数字2桁・無彩色Nの場合はNとなります)
65・・・明度区分(数字2桁)
  A・・・彩度区分(アルファベット一文字)

 

これが日塗工番号です。

横の数字とアルファベット「2.5Y6.5/0.5」はマンセル値です。

マンセル値は、マンセル表色系の「色相・明度・彩度」を組み合わせて表記したものです。

いわば参考値。

塗料だけでなく色々な色の表現に使用されます。

 

場合によっては、DICやPANTONEの品番で指定を受けるケースもあります。

しかしDICやPANTONEは印刷用の色見本のため、実際にその色で塗装したとしても思った色にならなかったなんてこともあります。

 

DIC・・・大日本インキ化学が発行しているカラーガイド

PANTONE(パントーンまたはパントン)・・・アメリカの会社が、販売しているパントン・マッチング・システムという色見本帳をさします。

この二つは、紙に印刷されたカラーサンプル帳です。

それに対して日塗工は、実際の塗料がぬってあります。

そのため、色のイメージ違いや違和感などなく仕上げれらます。

 

同じ色を塗っていても違った色に見える例で、面白い例があります。

 

 

これは、黒皮風塗装です。

鉄の黒皮処理を塗装で表現しています。

丸パイプのほうが、濃く、角パイプのほうが薄く塗っているように見えると思います。

 

ただ、実はこれまったく同じように仕上げています。

光の当たり方、反射の仕方で見え方が違っているのです。

 

 

サンプルで確認してもらった色味を元に、スチール角パイプを使った陳列棚用のフレーム什器を作成。

少し古びた風合い、色味。

通常の黒の焼き付け塗装と異なる味わいがあります。

インダストリアルなインテリアが人気になっている昨今、黒皮鉄を用いた什器の需要もあります。

ただ、黒皮鉄はサビやすいため、什器に使用するのには不向きでもあります。

そのため、黒皮の風合いを塗装で表現しているのです。

 

 

 

 

この黒皮鉄風塗装は、塗装するロットによって色の違いや風合いにムラが出てきてしまいます。

そのムラが味わいなのですが、同じような見た目を求めるのであればやはり、通常のメラミン焼き付け塗装などにするのが望ましいです。

 

 

他にも、塗装とは別のスチールの仕上げ方法がこちら。

めっき仕上げです。

 

 

写真の洋服を並べている陳列什器は、クロームでめっきした、クロームメッキ仕上げです。

 

「めっき」と「塗装」では全く仕上げの方法が違います。

塗装は樹脂を含んだ塗料を塗って(吹き付けて)高温で焼くことで塗料を硬化させる方法です。

対してめっきは、溶かした金属で表面を薄く被う方法です。

 

簡単に言うと、金属を溶かした水槽の中にめっきしたいものを漬けて、電流を流して被メッキ物の表面に金属で被膜をつくっていきます。

これは、電解めっきや電気めっきと言われています。 

実は、無電解めっきという方法もあるのですが、今回は割愛します。

 

よく、耳にする金めっきは、もこれです。金で被膜されているから金めっきのです。

めっきが剥がれるの語源もこれですよー。

 

めっき槽に、つけるので数が多い物なんかは、めっきの方が安くなることが多いです。

例えば、フックとか。

 

 

 

 

 

めっきの良いところは、塗装に比べると剥がれにくいこと。

角バーにフックを引っかけていると、物をかけたり外したりする際に、どうしても擦れてしまいます。

擦れ合う部分は、塗装だと剥がれやすいので、メッキで仕上げるほうが安心です。

 

今回は、スチール什器の仕上げ方について、納品した特注什器の施工例を挙げながら簡単に説明してみました。

 

 


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